現場研修レポート ~ガレージドア編~
先日シアトル近郊の新築現場にてガレージドアの施工の現場研修に参加してきましたのでレポートします。
今回取り付けていたのは Wayne Dalton のトーションスプリング式、16 フィート幅と 8 フィート幅の 2 台のガレージドアです。
**Wayne Dalton の施工マニュアルを見ながら取り付けの流れを追っていましたが、施工手順は施工者により多少前後するそうなので、今回はこのドアを施工した Josh さんの取り付けに従っています**
まずはガレージの開口部にウェザーストリップを取り付け、ガレージドアの施工準備完了です。
縦トラックの一番下に付くブラケットのみを固定し、ドアセクションにローラーを取り付け、ケーブルがローラーの後ろ側に来るようにしながら一番下のドアセクションから順番に重ねていきます。
ドアセクションを積み重ねていきながら、順番に縦トラックのブラケットを壁に固定していきます。
今回のドアは 8 フィートの高さで、ドアセクションは全部で 4 枚ありました。
3 枚のドアセクションをはめ込んだ後、1 番上のドアセクションを縦トラックにはめる前に横トラックを取り付けました。
横トラックが水平になるようにレベラーで確認しながら取り付けます。
次にトーションスプリングをガレージドア上部に設置します。
今回はスプリングは左巻きを 1 本だけ使用しました。
必要な金物や補強材をトップセクションに取り付け、縦トラックにはめ込みます。
ここで電動オープナーのオペレーターブラケットをトップセクション中心部に取り付けるのもお忘れなく・・・
各セクションの間に隙間ができていないか確認し、それぞれのドアセクションをヒンジで固定してドアの設置は完了です。
次はトーションスプリングをセットします。
ドアセクション両端のローラーの後ろ側をつたってドアの上部まで持って来たケーブルを、ケーブルドラムにセットします。両サイドのケーブルがピンと張り、張りのバランスも均等になるように注意します。
スプリングを調整中にドアが跳ね上がらないようロッキングプライヤーで固定し、2 本のロッドを手前から奥に 1/4 回転させながら必要回数巻いていきます。
スプリングが巻けたらドアを開け、開閉をチェックします。
ケーブルの張りもバランスもばっちりで、スプリングもきちんと巻かれ、スムーズな開閉を確認できました。
上から 2 番目のドアセクション半分が横トラックのカーブ部分に入るところまでドアを持ち上げた状態で、今度は電動オープナーの設置に取り掛かります。
まずアングルパンチプレートを必要な長さにカットし、横トラックを固定する吊り金物を天井に取り付けます。
目視で金物の設置位置を判断しているところがさすがベテラン、かっこいいですね。
オープナーを取り付けたレールをトーションスプリングの上部に固定します。
オープナーレールがトーションスプリング上部に固定できたらドアの開閉をチェックします。
最初にオープナーレール用にヘッドルームをきちんと確保しておかないと、ここでドアを開けた時にドアがレールに当たって開けることが出来なくなってしまいます。
Josh さんの取り付けた 16 フィート幅のドアは問題なく開閉できるのを確認できたので、この段階でオープナーを固定しました。
Josh さんの後輩インストーラーはすぐ隣で 8′ 幅のドアを取り付けていましたが、この段階でレールが梁に当たってしまい、ドアを全開できなくなってしまっていました。
天井の梁が邪魔してこれ以上オープナーレールの位置を下げることが出来なければ、一番最初の工程に戻って縦レールの位置を下げて高さ調節をしないといけなくなり、大変面倒です・・・
Josh さんの取り付けたドアは順調に工程が進み、オープナー用のドアアームをドア上部とオープナーレールに取り付けました。
最後にオープナーを配線し、壁付けのコントローラーで自動開閉の作動チェックを行い施工完了です。
ガレージドアはいつもコンテナで出荷していますが、今回初めて施工現場に赴き、実際にドアがどのように取り付けられるか、全工程を間近で見学できとても有意義な研修となりました。
工程こそシンプルですが、細かい点を見逃すとドアがうまく開閉しなかったり、スプリングの磨耗が激しくなってしまい交換が増えたり・・・と、留意点も多々あります。
輸入建材を実際にどのように取り付けているのか、取り付けの留意点やコツなど、アメリカの現場で施工を見学・体験してみませんか?
輸入住宅においては、輸入建材自体の問題だけではなく、施工が正しく行なわれていないために起こるクレームも多々あります。
施工者を教育していく事で無駄なクレームを減らすこともでき、工事現場にツテのない旅行会社ではできない、有意義な研修が受けられるとの理由で、最近は研修ツアーが大人気です。